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特定技能の二国間協定とは?仕組み・対象国・企業が押さえるべき注意点をわかりやすく解説

人手不足の対応策として注目される特定技能ですが、制度を調べる中で
「二国間協定って何?」「送出し機関は必ず使うの?」
「協定を結んでいる国からしか受け入れできないの?」と疑問を持つ方は多いはずです。
実際、特定技能は在留資格そのものの理解だけでなく、送出国とのルールまで把握しておかないと、採用や申請の段階でつまずきやすい制度でもあります。
そこでこの記事では、「特定技能」「二国間協定」というキーワードを軸に、制度の基本から協定の意味、対象国、企業側の実務上の注意点まで整理して解説します。
特定技能とはどんな制度?

特定技能は、深刻な人手不足が続く産業分野で一定の専門性や技能を持つ外国人が働けるように設けられた在留資格です。出入国在留管理庁の案内では、制度は2019年4月にスタートしており、現在は対象分野が16分野に広がっています。
さらに令和6年3月29日の閣議決定により、対象分野は従来の12分野から16分野に拡大され、今後5年間の受け入れ見込み数も大きく見直されました。
特定技能には「1号」と「2号」があり、特定技能1号は一定の知識や経験を持つ人材向け、特定技能2号はより熟練した技能を持つ人材向けと位置付けられています。
制度の拡充によって2号の対象も広がっており、特定技能は単なる一時的な人材確保策ではなく、中長期の戦力化を見据えた制度として運用が進んでいます。
二国間協定とは何か
特定技能における二国間協定とは、日本と送出国の間で結ばれる「協力覚書」のことです。
出入国在留管理庁は、この覚書について、特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保のために作成していると案内しています。
特に重要なのは、悪質な仲介や不透明な募集を防ぎ、各国政府と連携しながら制度を運用する土台になっている点です。
つまり、二国間協定は「外国人を受け入れてよい国の一覧」というだけではありません。
送出国側の窓口や認定送出機関、必要な事前手続き、本人保護のルールなどを整理し、日本側の受入れ機関にも一定のルール順守を求める仕組みです。
そのため、特定技能の採用を進める企業にとっては求人条件や雇用契約だけでなく、相手国ごとの手続差まで含めて確認することが欠かせません。
特定技能の二国間協定を結んでいる国

JITCOの案内では、特定技能制度に関する二国間協力覚書は、インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、キルギス、スリランカ、タイ、タジキスタン、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオスと締結されています。
国名だけを見ると広く見えますが、実務では国ごとに必要書類や関与する政府機関、送出機関の扱いが異なります。
この点を誤解すると「協定国だからどこも同じ手続きで進められる」と思い込んでしまいがちです。しかし実際には、同じ特定技能でもベトナムでは推薦者表の承認が必要とされるケースがあり、フィリピンでは政府認定送出機関や関係機関を通した手続きが重要になります。
ネパールのように認定送出機関の利用が必須ではなく任意と案内されている国もあります。
二国間協定が企業にとって重要な理由
企業が特定技能人材を採用する際、二国間協定を理解しておくべき理由は大きく3つあります。
1つ目は、「採用ルートの適法性を確認するため」です。
特定技能制度では、一般に受入れ機関が直接採用活動を行ったり、国内外の職業紹介機関を活用できたりしますが、二国間協定のある国では、現地政府が定める送出機関や推薦手続きを経ることが求められる場合があります。
ここを外して進めると、申請以前の段階で話が止まることがあります。
2つ目は、「トラブル防止」です。
協力覚書には悪質な仲介機関の排除や、送出し・受入れに関する問題解決のための協力という目的が明記されています。
つまり、二国間協定は単なる外交覚書ではなく、過大な手数料負担や不透明な紹介のような問題を抑えるための安全装置でもあります。
3つ目は、「申請準備をスムーズに進めるため」です。
特定技能1号を受け入れる場合、受入れ機関は支援計画を作成し、必要に応じて登録支援機関へ委託できます。
また、受入れ後も各種届出が必要です。
採用段階で二国間協定の手続きを見落としていると、その後の在留申請や受入れ準備にも影響しやすくなります。
特定技能の採用で押さえたい注意点

まず確認したいのは「対象分野に該当する業務かどうか」です。
出入国在留管理庁のQ&Aでも、従事する業務が特定産業分野に該当するかは、分野別運用方針の概要などで確認するよう案内されています。
特定技能は「外国人を採れる制度」ではなく「決められた分野・業務で受け入れる制度」なので、仕事内容の整理が最初の一歩です。
次に、報酬水準です。
特定技能外国人に支払う給与は、日本人が同等の業務に従事する場合と同等以上であることが求められます。
コスト重視で制度を見るとミスマッチが起こりやすく、結果として定着にも悪影響が出やすいため、採用時点で待遇設計を丁寧に行うことが大切です。
さらに、受入れ企業は「認定企業」にならなければならないわけではありませんが、在留申請の審査では協議会加入を含む所定の基準を満たしているかが確認されます。
採用だけ先に進めて体制整備が後回しになると、実務で詰まりやすいポイントです。
特定技能は二国間協定まで理解してこそ実務で使える
「特定技能」と「二国間協定」は、切り離して考えないほうがよいテーマです。
特定技能は16分野で活用が進む重要な制度ですが、実際の採用では送出国ごとのルール、認定送出機関の有無、推薦や認証の手続きなど、二国間協定に基づく確認が欠かせません。
これから特定技能の人材の採用を検討するなら、まずは「自社の業務が対象分野に合っているか」「どの国から採用するか」「その国ではどんな手続きが必要か」を順番に整理することが大切です。
制度の名前だけで進めるのではなく、二国間協定まで踏まえて準備を進めることで、採用後のトラブルを防ぎ、より安定した受入れにつなげやすくなるでしょう。
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