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ビルクリーニング分野の特定技能とは?受け入れ条件・企業側の注意点をわかりやすく解説

2026/05/08  カテゴリー:特定技能外国人紹介事業
ビルクリーニング分野の特定技能

株式会社ジェイ・エス・ピーのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

ビルメンテナンスや清掃業界では、慢性的な人手不足が深刻化しています。
募集をかけても応募が集まらない、既存のスタッフに負担が偏っている――そんな課題を抱える企業が増える中、注目されているのが「特定技能」制度を活用した外国人材の採用です。

ビルクリーニング分野は、2019年に特定技能の対象分野として認められました。
一定の技能と日本語能力を持つ外国人を、即戦力として自社で雇用できる仕組みです。
ただし、受け入れには企業側にもいくつかの条件があり、事前の準備が欠かせません。

この記事では、ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れる際に企業が満たすべき条件、採用までの流れ、つまずきやすいポイントを整理しています。初めて特定技能の活用を検討する方にも理解しやすいよう、制度の基礎から具体的な準備手順までを順を追って説明します。

ビルクリーニング分野の特定技能制度とは

特定技能制度は、国内で人材の確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人の就労を認める在留資格です。
ビルクリーニング分野は、厚生労働省が所管する分野の一つとして制度に含まれています。

ここでは制度の基本的な枠組みと、ビルクリーニング分野ならではの特徴を押さえておきましょう。

特定技能制度の概要とビルクリーニング分野の位置づけ

特定技能制度は2019年4月にスタートしました。
人手不足が深刻な産業分野を対象に、即戦力となる外国人材の受け入れを可能にするものです。
2026年現在、ビルクリーニングを含む16分野が特定技能の対象として認定されています。

ビルクリーニング分野の所管は厚生労働省。
建築物の内部を対象とした清掃業務に従事する人材を受け入れるための枠組みが定められています。

政府は2024年3月に閣議決定した「特定技能の受入れに関する運用方針」において、2024年度から2028年度末までの5年間で特定技能全体の受け入れ上限数を約82万人としました。
ビルクリーニング分野もこの枠組みの中で受け入れ数の拡大が進んでいます。

ビルメンテナンス業界は有効求人倍率が他の業界と比較しても高い水準にあり、特に現場作業を担う人材が不足しています。
特定技能制度は、こうした業界の課題に対応するための手段として位置づけられています。

特定技能外国人が従事できる主な業務内容

ビルクリーニング分野の特定技能外国人が従事できるのは、建築物の内部における清掃業務です。
具体的には以下のような作業が含まれます。

・オフィスビル・商業施設・ホテル・病院などの床面清掃(日常清掃・定期清掃)
・ トイレ・洗面所などの衛生設備の清掃
・ガラス面・壁面の清掃
・廊下・階段・エレベーターなどの共用部清掃
・ベッドメイキング(宿泊施設での客室整備に付随する業務)

ベッドメイキングは、清掃業務に付随する範囲であれば従事可能とされていますが、ベッドメイキングのみを行う業務には従事できません。
清掃作業が主たる業務であることが前提です。

建築物の外壁清掃や、敷地内の屋外清掃(植栽管理・ゴミ収集場所の清掃など)は原則として対象外です。あくまで建築物の内部清掃が業務範囲の中心になります。

特定技能1号と2号の違い

特定技能には1号と2号の2つの区分があります。ビルクリーニング分野は、2023年から特定技能2号の対象にも追加されました。

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年まで 上限なし(更新可能)
技能水準 ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験に合格 2号評価試験またはビルクリーニング技能士1級に合格+実務経験2年以上
日本語能力 JFT-Basic A2相当またはJLPT N4以上 試験による確認なし(1号取得時に確認済み)
家族の帯同 不可 条件を満たせば可能
支援計画 必要(受入れ機関または登録支援機関が実施) 不要

多くの企業が最初に受け入れるのは特定技能1号です。1号で経験を積んだ外国人が2号の試験に合格すれば、より長期的な雇用につなげることもできます。

ビルクリーニング分野の特定技能外国人の受け入れ企業に求められる条件

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇用するには、外国人本人が試験に合格していることだけでなく、受け入れ企業側にもいくつかの要件が設けられています。

事前に確認しておかないと、在留資格の申請段階でつまずく可能性があります。ここでは企業側に求められる主な条件を整理します。

建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録が必要

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れるためには、受入れ機関(企業)が「建築物衛生法」に基づく以下いずれかの登録を受けていることが条件です。

  • 建築物清掃業(1号登録): 建築物の清掃を行う事業者として都道府県知事の登録を受けた事業者
  • 建築物環境衛生総合管理業(8号登録): 空気環境測定・水質検査・清掃・害虫駆除など建築物の環境衛生管理を総合的に行う事業者

この登録を受けていない事業者は、特定技能外国人の受け入れ対象になりません。
未登録の場合は、まず登録手続きを進める必要があります。

登録には人的要件(清掃作業監督者の配置など)や設備要件があるため、自社の状況を早めに確認しておくとスムーズです。

ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入

受け入れ企業は、厚生労働省が設置する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」の構成員になる必要があります。
2024年6月15日以降、協議会への加入は在留資格申請の前に完了していなければなりません。

協議会加入の手続きは、全国ビルメンテナンス協会のウェブサイトから申請できます。加入に費用はかかりませんが、審査・承認までに一定の日数がかかるため、採用スケジュールに余裕を持って申請することが大切です。

協議会に加入すると、受け入れに関する情報提供を受けられるほか、必要に応じた調査や指導への協力義務も発生します。制度を正しく運用するための仕組みとして設けられているものです。

雇用契約・労働条件・支援体制の整備

特定技能外国人を雇用する際の労働条件には、いくつかの基準が設けられています。

・報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等以上であること
・フルタイム(週30時間以上)の直接雇用契約であること
・労働関係法令、社会保険・労働保険への加入が適切に行われていること
・過去に不法就労者を雇用していないこと、労働関係法令の重大な違反がないこと

加えて、特定技能1号の外国人に対しては、受入れ機関が「支援計画」を策定・実施する義務があります。
支援計画には、入国前のガイダンス、住居の確保支援、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、相談・苦情対応、転職支援(雇用契約終了時)などが含まれます。

自社で支援体制を構築するのが難しい場合は、登録支援機関に支援の全部または一部を委託することも認められています。

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を採用するまでの流れ

条件を満たしたうえで、実際に特定技能外国人を採用して受け入れるまでにはいくつかのステップがあります。

制度上の手続きと実務の流れを把握しておけば、スケジュールを立てやすくなります。
ここでは外国人側の要件と、企業側が進める手続きを順に確認します。

外国人材の要件と評価試験・日本語試験

特定技能1号の在留資格を取得するには、外国人本人が以下の2つの条件を満たす必要があります。

技能試験: ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験に合格していること。
試験は全国ビルメンテナンス協会が実施しており、国内のほか海外の一部会場でも受験できます。
試験は判断試験(写真を見て清掃方法を選択する問題)と作業試験(実際に清掃作業を行う実技)の2部構成。
受験資格は試験日時点で満17歳以上(インドネシア国籍の場合は満18歳以上)です。

日本語試験: JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)のA2レベル相当以上、またはJLPT(日本語能力試験)N4以上に合格していること。
技能実習2号を良好に修了した外国人は、試験が免除されるルートもあります。
技能実習でビルクリーニング職種の経験がある人材は、試験なしで特定技能1号に移行できます。

在留資格申請から受け入れまでのステップ

企業側の準備と外国人側の要件がそろったら、在留資格の申請に進みます。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 雇用契約の締結(直接雇用・フルタイム)
  2. 支援計画の策定(自社対応または登録支援機関に委託)
  3. 協議会への加入確認(加入済みであること)
  4. 在留資格認定証明書交付申請(海外から招へいする場合)または在留資格変更許可申請(国内にいる場合)を出入国在留管理庁に提出
  5. 審査・許可後、入国または在留資格変更
  6. 就労開始

申請から許可までの審査期間は、通常1〜3か月程度かかります。採用計画は余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

登録支援機関の活用と支援計画の策定

支援計画の策定と実施は、受入れ機関の義務です。
自社に外国人支援のノウハウや体制がない場合は、登録支援機関に委託するのが現実的な選択肢になります。

録支援機関とは、出入国在留管理庁に登録された法人や個人のこと。
特定技能外国人への各種支援を代行します。
支援の内容は制度で定められた10項目にわたり、生活面のサポートから行政手続きの補助まで幅広くカバーします。

登録支援機関を利用する場合でも、受入れ機関自体が雇用主としての責任を負う点は変わりません。
支援の実施状況は定期的に出入国在留管理庁へ届け出る必要があるため、委託先との連携も重要です。

受け入れ時に注意したいポイント

制度を利用するうえで、誤解されやすい点やつまずきやすい箇所があります。
受け入れ後のトラブルを避けるためにも、事前に確認しておきたいポイントを整理します。

派遣ではなく直接雇用が原則

ビルクリーニング分野の特定技能外国人は、受入れ機関との直接雇用が原則です。派遣形態での受け入れは認められていません。

人材を探す際は、「人材紹介」「採用支援」「登録支援」「受け入れサポート」を提供している企業や団体を利用する形が一般的。
紹介を受けた人材と自社が直接雇用契約を結び、就労管理の責任も自社が負います。

派遣と混同して受け入れ準備を進めてしまうと、在留資格の申請が認められないだけでなく、制度違反に問われる可能性も。
雇用形態の確認は最初の段階でしっかり行いましょう。

制度変更への対応と最新情報の確認

特定技能制度は比較的新しい制度であり、運用方針や手続きの細目が見直されることがあります。
協議会の加入時期の要件変更(2024年6月の改正で申請前加入が必須化)や、受け入れ上限数の改定など、実務に影響する変更が定期的に行われています。

受け入れを検討する際は、出入国在留管理庁や厚生労働省、全国ビルメンテナンス協会の公式サイトで最新の情報を確認してください。
制度の改正や新たな要件の追加は、事前の告知から適用までの期間が短いケースもあります。
定期的な情報収集を習慣にしておくと、対応が後手に回るリスクを減らせます。

初めてでも安心して進めるための相談先

受け入れ条件の確認から協議会加入、在留資格申請、支援計画の策定まで、必要な手続きは多岐にわたります。
制度に慣れていない段階で、すべてを自社だけで進めるのは負担が大きいのが実情です。

特定技能外国人の受け入れを専門的にサポートする企業や行政書士事務所、登録支援機関に相談すると、自社の状況に合った具体的なアドバイスを受けられます。

制度の要件を満たしているかの確認、書類作成の支援、採用後のフォローまで対応してもらえるケースも多いため、初めての受け入れでも不安を減らしながら準備を進められます。

ビルクリーニング特定技能の受け入れ条件を正しく理解して採用準備を進めるために

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れるには、建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録、協議会への事前加入、適切な雇用契約と支援体制の整備が求められます。

制度自体は人手不足の解消に向けた有効な選択肢ですが、要件を満たさないまま進めると申請が通らず、採用スケジュールが大きくずれる原因にも。
まずは自社が受け入れ条件を満たしているかを確認し、不足があれば登録手続きや体制の整備に着手することが第一歩です。

制度は定期的に見直されるため、最新の情報を確認しながら準備を進めてください。

受け入れ条件の確認や採用準備でわからないことがあれば、特定技能外国人の受け入れに実績のある株式会社ジェイ・エス・ピーにお気軽にご相談ください。

制度の確認から採用支援、受け入れ後のサポートまで、初めての企業でも安心して進められる体制を整えています。

特定技能1号の対象分野について

2026/03/01  カテゴリー:特定技能外国人紹介事業

株式会社ジェイ・エス・ピーのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

特定技能は、働き手が不足する日本において、私たちの暮らしと産業を支える大切な受け皿になっています。
ただ、意外と見落とされがちなのが、受け入れできる分野には条件があるという点です。
特に利用が広がっている特定技能1号も、対象となるのは16分野に限られています。

そこで今回は、特定技能1号の対象分野をお伝えします。

特定技能1号の基本

制度の大枠として、特定技能1号は次のような特徴があります。

  • 通算で最長5年働ける(更新あり)
  • 家族帯同は原則不可
  • 受入れ機関または登録支援機関による支援(サポート)が前提になる
  • 技能試験と、生活・業務に必要な日本語能力(多くはN4相当)が求められる

特定技能1号の対象は16分野

2026年3月現在、特定技能1号で受け入れできるのは全16分野です。
2024年の見直しで「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」が加わっています。

①介護
身体介護・生活支援など(施設系が中心)※訪問系サービスは、一定の要件を満たす場合に従事可能となっています。

 

②ビルクリーニング
建築物内部の清掃、清掃資機材の取扱いなど

 

③工業製品製造業
機械金属加工、電気電子組立、金属表面処理などの製造工程

 

④建設
土木・建築・設備など、現場施工に関わる業務

 

⑤造船・舶用工業
造船、舶用機械、舶用電気電子機器など

 

⑥自動車整備
点検整備、定期点検、特定整備など

 

⑦航空
グランドハンドリング、航空機整備など

 

⑧宿泊
フロント、接客、企画・広報、レストランサービスなど

 

⑨自動車運送業
トラック・タクシー・バスの運転等(要件や運用ルールが比較的細かい分野)

 

⑩鉄道
軌道整備、電気設備整備、車両整備・製造、運輸係員など

 

⑪農業
耕種・畜産(栽培管理、飼養管理、選別など)※分野特性により派遣形態も可能。

 

⑫漁業
漁業・養殖(採捕、育成管理、処理・保蔵など)※分野特性により派遣形態も可能。

 

⑬飲食料品製造業
飲食料品の製造・加工、安全衛生など

 

⑭外食業
調理、接客、店舗運営に関わる業務

 

⑮林業
育林、素材生産など(2024年追加分野)

 

⑯木材産業
製材、合板製造など木材加工工程(2024年追加分野)

現場でつまずきやすい3つのポイント

1) 「分野名が同じ」でも、できる仕事は“業務区分”で決まる

たとえば製造系は一括りに見えても、業務区分(どの工程・作業か)が前提になります。
募集要項や現場の実態がズレると、審査・運用で苦労しがちです。

2) 雇用形態が原則「直接雇用」な分野が多い(農業・漁業は例外)

人材派遣で組みたい場合、できる分野は限られます。
農業・漁業は派遣も想定されていますが、他分野は基本的に直接雇用を前提に設計されています。

3) 新しく追加された分野ほど「追加要件」が出やすい

自動車運送業・鉄道などは、試験だけでなく別要件が絡むケースがあり
採用計画(入社時期・育成・資格取得)まで含めて設計しておく方が安全です。

まとめ

特定技能1号は、人手不足が続く日本で、現場を支える有力な選択肢になっています。
一方で、受け入れできるのは 16分野に限定されており、「とりあえず特定技能で採用しよう」と進めてしまうと、途中で手続きや運用が噛み合わなくなることもあります。

株式会社ジェイ・エス・ピーでは、特定技能人材の確保に関して、制度の整理から採用・受け入れまでの進め方に関するご相談をサポートしています。
「まず何から手を付ければいいのか分からない」「自社の業務が対象分野に当てはまるか不安」といった段階でも構いませんので、気軽にお問い合わせください。

特定技能外国人がすぐ辞める理由とは?定着率の改善と企業の支援ポイントを解説

2026/02/09  カテゴリー:特定技能外国人紹介事業
特定技能外国人すぐ辞める

株式会社ジェイ・エス・ピーのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

介護業界をはじめ、人手不足に悩む企業が増える中、解決策の一つとして特定技能外国人の採用を検討する企業も多くなっています。

一方で、受け入れ経験がない場合、

「うまく意思疎通できるのか」
「採用しても、すぐ辞めてしまうのではないか」

といった不安を感じる採用担当者も少なくありません。

実際、過去に外国人材を採用したものの、数カ月で退職され、「現場が疲弊しただけだった」という経験から、「特定技能外国人は定着しない」「外国人採用はリスクが高い」と感じている企業もあります。

しかし、特定技能外国人の定着は、決して運や本人の資質だけではありません。
実は、受け入れ後の環境づくりやサポートの仕組みを少し整えるだけで、離職リスクを大幅に減らすことが可能です。

本記事では、特定技能外国人が「すぐ辞める」と言われる理由を整理し、定着率を改善するために企業が押さえるべき支援ポイントを解説します。

特定技能外国人が「すぐ辞める」と言われる背景

特定技能外国人すぐ辞める

特定技能外国人の採用に対して不安を感じる企業が多いのは、これまでの事例や業界内の空気感が影響しています。
まずはその背景を整理します。

早期離職の事例が印象として残りやすい

特定技能外国人が短期間で退職してしまったケースは、少なくありません。

こうした事例は社内外で共有されやすく、「やはり外国人は定着しない」という印象として残りがちです。
成功したケースよりも、失敗した話のほうが強く記憶に残るのは自然なことと言えるでしょう。

定着しているケースが表に出にくい

一方で、特定技能外国人が長く安定して働いている企業もあります。

しかし、そうした事例はあまり表に出ず、結果としてネガティブな情報ばかりが目立ってしまいます。
この情報の偏りが、不安をさらに強めている側面もあります。

特定技能外国人がすぐ辞めてしまう本当の理由

すぐ辞める理由

特定技能外国人が短期間で退職してしまうケースは、決して珍しいものではありません。
しかしその多くは、「本人のやる気がなかった」「外国人だから仕方ない」といった単純な理由では説明できません。

実際には、採用前の認識のズレ、入国後のサポート不足、現場との関係性など、複数の要因が重なった結果として「辞める」という判断に至るケースがほとんど。
ここでは、現場でよく見られる“本当の理由”を整理していきます。

「即戦力」という期待が無意識にハードルを上げている

特定技能外国人は、介護や清掃などに関する一定の技能や経験を持って来日します。
そのため企業側も「ある程度すぐに活躍してくれるはず」と期待しがち。

しかし、持っている技能と日本の職場に適応する力は別物です。
日本語での細かな指示、暗黙の了解、報連相のタイミングなど、日本人にとっては当たり前のことが、外国人にとっては大きなストレスになることも。

「できて当然」という空気の中で失敗が続くと、自信を失い、「ここでは続けられない」と感じてしまうのです。

採用後のフォローが現場任せになっている

特定技能外国人の受け入れにおいて多いのが、採用後の対応を現場任せにしてしまうケースです。
管理者や先輩社員が教育と業務を兼務する中で、十分なフォローができず、結果的に誰も余裕を持てなくなります。

外国人本人も、「忙しそうで相談しづらい」「何を聞いていいのか分からない」と感じ、悩みを抱え込んでしまいます。
この状態が続くと、小さな不満や不安が蓄積し、ある日突然の退職につながりやすくなります。

仕事より先に生活面で限界を迎えてしまう

特定技能外国人が辞める理由として見落とされがちなのが、生活面でのつまづき
住居の契約、役所手続き、病院の受診、銀行口座の開設など、日本で生活するうえで必要な手続きは想像以上に複雑です。

仕事自体は嫌ではなくても、「生活が回らない」「相談できる人がいない」と感じることで、精神的に追い込まれてしまうケースもあります。
その結果、「仕事を辞めたい」のではなく、「この環境から離れたい」という選択として退職を決めてしまうのです。

相談できない環境が、退職の引き金になる

特定技能外国人が早期に退職してしまう背景には、不満や違和感を相談できない環境があることも少なくありません。
多くの特定技能外国人は、「迷惑をかけたくない」「評価を下げたくない」という思いから、不安や不満を口に出さずに抱え込んでしまいます。

言葉や文化の違いもあり、「どこまで相談していいのか分からない」「忙しそうで声をかけづらい」と感じるケースも。
その結果、小さな違和感が解消されないまま積み重なり、ある日突然の退職につながってしまいます。

特定技能外国人が定着している企業の共通点とは?

特定技能定着

同じ特定技能外国人を受け入れていても、安定して定着している企業と、早期離職が続いてしまう企業があります。
この違いは、外国人本人の能力や意欲ではなく、受け入れに対する考え方や支援体制の有無にあります。

ここでは、特定技能外国人が定着している企業に共通するポイントと、それをどのように実現しているのかを見ていきます。

採用をゴールにせず入社後まで見据えている

特定技能の資格を持つ外国人がしっかり定着している企業は、「採用できたかどうか」ではなく、入社後にどう支えるかを前提に受け入れを設計しています。

仕事内容や職場環境を事前に丁寧に共有し、入社後のフォローまで含めて考えることで、ミスマッチを防いでいます。

こうした設計を自社だけで行うのが難しい場合、入国前から入社後まで一貫して支援できる人材会社の存在が、定着率を左右するポイントになります。

現場任せにせず相談できる窓口を用意している

人材がしっかり定着している企業では、教育やフォローを現場任せにせず、特定技能外国人が相談できる窓口を明確にしています。
仕事や生活に関する不安を早めに拾い上げることで、小さな違和感が離職につながるのを防いでいます。

たとえば弊社では、企業と特定技能外国人の間に立ち、入社後も継続的なフォローを行うことで、現場や管理者が一人で抱え込まない体制づくりを支援しています。

現場との行き違いを調整できる体制がある

特定技能外国人の定着を妨げる要因の多くは、言葉や文化の違いによる小さな行き違いです。
定着している企業では、こうした行き違いを放置せず、間に入って調整できる体制を整えています。

企業側・外国人側の双方の状況を理解した第三者が関わることで、誤解や不満が大きくなる前に解消しやすくなります。

こうした定着支援や現場フォローを含めた受け入れ体制については、ジェイ・エス・ピーの特定技能外国人紹介事業でも対応しています。

【まとめ】すぐ辞めるかどうかは受け入れ体制で決まる

特定技能外国人がすぐ辞めてしまうかどうかは、制度や本人の問題ではなく、受け入れ体制や入社後の支援のあり方によって大きく変わります。

採用前の情報共有から、入国後・入社後のフォロー、現場とのコミュニケーションまでを見据えて設計することが、定着につながるポイントです。

「自社の受け入れ体制で本当に大丈夫だろうか」
「どこから整えればいいのか分からない」

そんな段階でも問題ありません。

私たちジェイ・エス・ピーでは、特定技能外国人の採用から定着までを前提とした支援を行っています。
少しでも気になる点があれば、ぜひお気軽にお問合せください。

特定技能と技能実習の違いを徹底比較|制度・目的・採用の考え方をわかりやすく解説

2026/01/20  カテゴリー:特定技能外国人紹介事業
特定技能と技能実習の違い

株式会社ジェイ・エス・ピーのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

近年、人手不足を解消するため、外国人材の雇用を考える企業が増えてきました。
しかし外国人材の採用を検討する中で、「特定技能」「技能実習」の違いが分かりづらく、採用を迷っている企業の方も多いのではないでしょうか。

どちらも外国人が日本で働くための在留資格ですが、制度が作られた目的や前提は大きく異なります。
その違いを十分に理解しないまま検討を進めてしまうと、「想定していた働き方と違った」「現場とのズレが生じた」といったミスマッチにつながることも。

そこで本記事では、特定技能を軸に、技能実習との違いを「制度の目的」「働き方」「在留期間や将来設計」といった観点から整理して解説していきます。

特定技能と技能実習の違いとは?まずは制度の目的を整理

特定技能技能実習違い

特定技能と技能実習の違いを理解するうえで、最初に押さえておきたいのが「制度の目的」です。
この前提を誤ってしまうと、その後の業務設計や人材への期待値にもズレが生じやすくなります。

まずは、それぞれの制度が何のために作られたのかを整理してみましょう。

制度の目的そのものが異なる点が大きな違い

まず押さえておきたいのが、制度の目的そのものが違うという点です。

技能実習制度は、本来「日本で培われた技能や技術を母国へ持ち帰ってもらう」ことを目的とした制度
そのため、働き方も「労働」というより「実習」という位置づけで設計されています。

一方、特定技能制度は、日本国内で深刻化している人手不足に対応するために創設された制度
特定の産業分野において、一定の技能・日本語能力を持つ外国人が、即戦力として就労することが前提となっています。

制度目的の違いが運用や関わり方に影響する

この「育成・技能移転が前提か」「人手不足を補う労働力としての受け入れか」という目的の違いが、業務内容、在留期間、企業側の関わり方の違いにつながっています。

特定技能と技能実習の違い|業務範囲・働き方・転職の扱い

特定技能と技能実習の違い業務範囲

制度の目的が異なれば、実際に現場で任せられる業務や働き方にも違いが出てきます。
ここでは、採用後の運用をイメージしやすいように、業務範囲・働き方・転職の扱いという観点から整理します。

任せられる業務範囲と働き方の違い

制度目的の違いは、現場での働き方にも表れます。

技能実習の場合、あらかじめ作成された実習計画に沿って業務を行うため、
「どの作業をどの段階で経験させるか」が細かく決められているケースが多くなります。
即戦力としてフルに業務を任せる、というよりは、技能習得の過程を重視した運用になります。

一方、特定技能は、対象となる産業分野の業務に実際に従事することが前提です。
そのため、現場の一員として配置し、日常業務を任せていくことが想定されています。

転職の扱いの違いと採用時の注意点

また、転職の扱いにも違いがあります。
技能実習は原則として転職が認められていませんが、特定技能は一定の条件を満たせば転職が可能です。

この点は「デメリット」と捉えられがちですが、見方を変えると、
採用時の業務説明や職場環境のすり合わせが、より重要になる制度とも言えます。
期待値のズレを防ぐことが、定着につながる大きなポイントです。

特定技能と技能実習の違い|在留期間・1号・2号と将来設計

特定技能と技能実習違い在留期間

特定技能と技能実習を比較する際、企業の方から特に多く聞かれるのが
「どのくらいの期間、働いてもらえるのか」
「長期的な戦力として考えられるのか」
といった在留期間や将来設計に関する点です。

ただし、在留期間の長さだけで制度を選んでしまうと、
採用後の役割設計や育成方針が曖昧になり、ミスマッチにつながることもあります。

ここでは、技能実習・特定技能1号・特定技能2号の違いを整理しながら、
企業側がどう考えるべきかを解説します。

技能実習の場合|期間が決まった「実習」を前提とした制度

技能実習は、技能や技術を習得し、母国へ持ち帰ってもらうことを目的とした制度です。
そのため、在留期間や働き方も「長期雇用」ではなく、「一定期間の実習」を前提に設計されています。

  • 制度の位置づけ:技能習得・国際貢献を目的とした制度
  • 在留期間:原則として最長5年
  • 更新の考え方:号・段階ごとの段階制
  • 就労の考え方:実習計画に基づいた業務が中心
  • 転職:原則として不可
  • 家族帯同:不可

在留期間があらかじめ決まっているため、
企業側としては「一定期間の戦力」として位置づける必要があります。
長期的なキャリア形成や定着を前提とした採用には向きにくい制度です。

特定技能1号の場合|中期的な戦力として設計しやすい制度

特定技能1号は、人手不足分野で即戦力として働いてもらうことを目的とした在留資格です。
技能実習と異なり、「就労」が前提となるため、現場業務を担ってもらうことが想定されています。

  • 制度の位置づけ:人手不足分野での就労を目的とした制度
  • 在留期間:更新制だが、通算で5年が上限
  • 更新の考え方:要件を満たせば更新可能(通算5年まで)
  • 就労の考え方:即戦力として現場業務に従事
  • 転職:一定の条件を満たせば可能
  • 家族帯同:不可

通算5年という上限があるため、
企業側は「いつ頃から戦力として任せたいのか」「どこまでの役割を担ってもらうのか」
逆算して設計することが重要になります。

また、技能実習を修了した外国人が特定技能1号へ移行するケースも多く、
日本での就労経験がある人材を採用できる点は大きなメリットです。

特定技能2号の場合|長期雇用を見据えた中核人材向けの制度

特定技能2号は、より熟練した技能を持つ外国人を対象とした在留資格です。
在留期間の上限がなく、家族帯同も認められているため、
長期的な雇用やキャリア形成を前提に考えやすい制度です。

  • 制度の位置づけ:熟練人材としての就労を想定した制度
  • 在留期間:上限なし(更新制)
  • 更新の考え方:制限なく更新可能
  • 就労の考え方:現場の中核人材としての活躍が期待される
  • 転職:一定の条件を満たせば可能
  • 家族帯同:可能

ただし、特定技能2号は対応している分野や試験要件が限られています。
すべての職種・分野で移行できるわけではないため、
2号を視野に入れる場合は、事前に要件をしっかり確認することが欠かせません。

在留期間だけでなく「役割設計」から制度を選ぶことが重要

在留期間の長さは、制度選択の一つの判断材料ではありますが、
それだけで決めてしまうのはおすすめできません。

重要なのは、

  • どの業務を任せたいのか
  • どの程度の期間で戦力化したいのか
  • 将来的にどんな役割を期待するのか

といった採用後の姿を具体的に描いたうえで制度を選ぶことです。

この視点を持つことで、
特定技能・技能実習それぞれの制度を、より効果的に活用しやすくなります。

まとめ

特定技能と技能実習は、名前が似ていても、制度の目的や考え方は大きく異なります。
どちらが良い・悪いという話ではなく、自社の課題や現場の状況に合った方を選ぶことが何より重要です。

特定技能は、人手不足を補うための制度である分、
採用後の業務設計やフォロー体制まで含めた準備が、成果を左右します。

制度選びで迷ったときは、「手続きができるか」だけでなく、
採用後にどう活躍してもらいたいのかを軸に考えてみてください。
その整理が、定着につながる第一歩になります。

今注目されている特定技能とは?

2026/01/06  カテゴリー:特定技能外国人紹介事業

株式会社ジェイ・エス・ピーのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

ニュースや求人の話題で「特定技能」という言葉を見かける機会が増えましたよね。
しかし実際には、「いつ始まった制度なのか」「技能実習と何が違うのか」「どんな業種で活用されているのか」など、意外と詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

特定技能制度は比較的新しい制度で、人材不足の影響もあり、ここ数年で一気に注目されるようになりました。
その一方で、断片的な情報だけが先行し、「結局どんな制度なのか」が分かりにくく感じられる場面も少なくありません。

そこで今回は特定技能の基礎について簡単にご紹介します。

特定技能の定義

 

特定技能とは、日本国内で人手不足が続く分野において、一定の知識や技能を持つ外国人材が就労するための在留資格です。
最大の特徴は、「技術を学ぶため」ではなく「技術がある上で、現場で働くこと」を前提にしている点にあります。

制度上は「特定技能1号」「特定技能2号」に分かれていますが、まず多くの現場で活用されているのは特定技能1号です。
特定技能1号は、各分野で定められた試験や条件を満たした人材が、現場業務に従事するための入口となる位置づけです。
一方の特定技能2号は、より熟練した技能を前提とした在留資格で、長期的な就労を見据えた枠組みとされています。

よく比較される技能実習制度は、人材育成を主な目的とした制度ですが、特定技能は最初から労働力としての活用を想定している点が大きな違いです。
そのため、業務内容や配置についても、現場の実情に合わせた運用がしやすくなっています。

特定技能はいつできた?

特定技能は、2019年にスタートした在留資格です。
ここ数年で急に耳にする機会が増えたのは、この制度自体が比較的新しく、しかも「現場の人手不足」という課題と直結しているからです。

それまで日本で外国人材が働くルートとしてよく知られていたのは、技能実習などの枠組みでした。
一方で現場では、「一定のスキルがある人に、即戦力として働いてもらいたい」「必要な業務を安定して任せたい」というニーズが強まり、より実態に合った制度が求められるようになります。

その流れの中で、人材不足が深刻な分野を中心に受け入れを進める仕組みとして整えられたのが特定技能です。

どんな業種で活用されている?

特定技能は、あらゆる業種で使える制度というわけではなく、人手不足が特に深刻とされる分野に限って活用されているのが特徴です。
現場で一定の業務を任せられる人材を、安定的に確保したい――そんなニーズが強い業界を中心に、受け入れが進められています。
代表的な分野として挙げられるのが、慢性的な人材不足が続く、介護、外食業、建設、農業、宿泊業などです。
特定技能は、日本人採用だけでは対応が難しくなっている現場において、即戦力として働ける人材を確保する手段として位置づけられています。

企業にとっては、業務内容や従事できる範囲が制度上決まっているため、現場配置や育成の計画を立てやすい点がメリットです。
さらに、一定の日本語力や分野ごとの基礎的な知識・技能を備えた人材であることから、業務指示や日常的なコミュニケーションが比較的スムーズに進みやすいという特徴もあります。

また採用段階で一定の基準を満たした人材であるため、現場に必要な理解力や適応力を備えた、質の高い人材を確保しやすい点も評価されています。
仕事内容の前提説明や基本的なルール教育にかかる負担を抑えやすく、初期の教育コストを軽減できる点も、現場ではメリットとして挙げられるポイントのひとつです。

一方、働く側にとっても、就労を前提とした在留資格であるため、日本で働く期間やキャリアを具体的に想定しやすい制度といえます。
職場環境やサポート体制との相性が合えば、長期的な就業や定着につながりやすい点も特徴です。

このように特定技能は、人手不足に悩む業種と、働く意欲・能力を持つ外国人材とをつなぐ役割を担い、現場を支える制度として活用されています。

まとめ

特定技能は、2019年に始まった比較的新しい在留資格で、人手不足が続く分野において、一定の技能や日本語力を持つ外国人材が働くことを前提に整えられた制度です。
技能実習とは異なり、最初から労働力としての活用を想定している点が特徴で、現場の実情に合わせた運用がしやすい仕組みとなっています。

実際には、介護や外食、建設など、人材確保が課題となりやすい業種を中心に活用が進んでおり、現場を支える選択肢のひとつとして定着しつつあります。
一方で、制度の理解や採用準備、定着に向けた対応など、検討段階で悩みやすいポイントが多いのも事実です。

株式会社ジェイ・エス・ピーでは、こうした特定技能人材の確保について、制度の整理から採用・受け入れに関する相談までサポートを行っています。
特定技能の活用を検討しているものの、何から始めるべきか迷っている場合は、お気軽にお問い合わせください。

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